事業計画
事業計画
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事業計画は大きく3つに分かれています。
(1) 死生観や生き方の共有
- 超高齢多死社会の到来で増加が予想される在宅での死去に際し、孫世代の積極的参加を呼びかけ、近親者の死を通して「死生観」を自発的に涵養させたいと考えています。具体的には、死に望んでの近親者への接し方や伝えておきたいことの整理など、安らかな終末期を迎える為の教本やメンタルトレーニングを終末期医療に展開することが必要となります。
- 地域で在宅孤老者の看取りに医・看学部学生の体験実習を計画します。医学部や看護学部教育では経年的科目として「人の死(死生観)」が必要と考えています。薬学部では予期されない死(薬物副作用など)との関連が必要と思われます。
(2)学部教育への医療施設の関与
- 医学教育は欧米では伝統的に病院で行われてきました。歴史的に病院附属の教育部門が大学や医療系学部として発展してきた経緯が在ります。現在、我が国の医学教育はモデル・コア・カリキュラムが3分の2を占め標準化が進んでいます。病院実習については、各大学独自の単位認定評価を受けていますが、60週を超える病院実習は、附属病院の設備、スペースや教員負担問題から十分な展開がされていないのが現状です。
- その中で、他院における選択臨床実習の占める役割は極めて重要ですが、大学と委託を受ける医療施設間で学生評価や教育プログラム評価に課題が残されています。「医療施設から医療系学部教育について大学への提案」は、病院が特定の専門科目に偏らない「在宅から救急まで」を実施可能な臨床プログラムとして提供し、教育目標を網羅することにあります。特に診療報酬平成30年改訂で更に病院機能が分化すると考えられ、教育の相互連携は喫緊の課題です。「地域が育てる医療人」や「地域と大学の共生・創造」にも相応しいと考えています。
(3)医療や介護は高度専門技術者だけで成立する事業ではありません。優秀で常識ある事務管理者育成を、職業教育として展開する必要があります。
事業計画のマイルストン
課題については
- 平成27年12月から28年3月の期間で、法人内の委員会で医療提供者側の意見を集約するとともに医学部教員部会、看護学部教員部会(共に)で希望や具体的方策を求めています。
- 医療提供施設や大学間連携を考慮すれば、平成28年4月から6月にかけて大阪府と京都府で2、3協力病院施設を認定し、具体的なプログラム作成を開始する予定です。
具体的な計画
具体的な計画
- 平成28年9月にはプログラムを公開し、参加大学に説明を行い、平成29年6月以降の学部学生臨床実習を開始する。
- 看取りへの孫世代の参加事業については協力医療提供施設を通して平成28年4月以降終末期医療並びに在宅医療の中で推進する。
- 薬学部へのアプローチは、基本的には平成29年度事業として取り上げる。
- 団塊の世代へのメッセージ:自らの看取りに孫を立ち会わせる運動を通して医療・介護の役割を共有する。
- 在宅弧老者への聞き取り:在宅介護に高校生を聞き取り役として参加させ、人の命の重要性を認識させる。
- 医療施設におけるボランテア活動を高校生に開放
医療・介護の道に進みたい高校生が自ら学べる地域育成課外授業枠を設定する。 - 保健体育の改善:未病と予防医学教育の推進を中等教育で一段と進める。
- 選択臨床実習として病院総合枠「在宅から救急まで」を病院がプログラムして大学に提示する。
- 医・薬・看のチーム医療の環境を提供し(医学部ではadvanced OSCE合格者対象)、学生の病院における役割分担を明らかにする(責任と参加)。
- 学部学生個人の応募を主体とする運営で、原則地域の通学通院可能な登録大学を対象とする。
- ポートフォリオを導入し、各大学でモデル・コア・カリキュラムに沿って単位認定をする。
- 病院での活動については医療施設側のコメントを大学へ報告する。
- 病院事務職入職へのインターン制度として創設する。